近頃本屋さんを”賑わせている”本は、きょう読んで明日に役立つ、という類のキャッチコピーであふれていて
「即効性」「実用性」ばかりを詠っているし、上を目指さない人は、ひたすら堕ちていくだけだよ という
暗黙のメッセージを勝手に自分自身が作ってしまう感覚に陥ってしまう。
そんな状況の下で、目の前の一冊の長編小説を読むことに 意義づけをしたがる自分に気付いて
自らの器の小ささ、愚かさに目をつぶりたくなる。
ついこの前聞いたばかりの、
「人生、足し算引き算じゃないんだから・・・」 という言葉に後押しされて
やっとこさ約430P、2段組みのIsabel Allende著、長編小説 精霊たちの家 を 京都五条のカフェ efishで読み終えました。
(で、この投稿もその場で書いている。)
夏に読んだ天使の運命の続編の一つ。
彼女の小説に出てくる女性は相変わらずすごく力強くて、ドラマティックな歴史に翻弄されながら生きていく。
20世紀のチリという国の歴史をなぞりながら展開していくこの小説は、
チリはもちろんのこと様々な国で翻訳され、愛されているそうだ。
日本で育った私にとって、現代史がこんな風に小説として様々な人に読まれていること
小説というものを通して
その国の人々が(多少の婉曲を含んでいるとしても)その国の歴史を認識していること すごいな と思う。
彼らは、政治というものを言及するのを恐れないし、悲惨な歴史を歩んできているけれども
すごく堂々と自分の国の歴史を語るな、といつも驚きと、羨望の気持ちを抱く自分に気付く。
この小説が集約する最後のパートのように、世界が流転し続けているのならば、
私たちは、私達の次の代にとって、どのような存在に映るのだろう。
読んで良かった。

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